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女性は全員知っておきたい、子宮筋腫の治療法!

子宮筋腫の基礎知識 この記事は約 9 分で読めます。 7,344 Views
子宮筋腫治療法

子宮筋腫は20歳以上の成人女性の4~5人に1人の割合で見つかると言われている良性の腫瘍で、まだ成長していない小さな筋腫がある女性も含めれば、70%以上の成人女性が持っていると言っても決して過言ではない病気です。

これだけ身近で多くの女性がかかる病気であるにも関わらず、世間一般の女性の間ではまだまだ子宮筋腫に対する正しい知識が浸透していません。

ですから、会社の健康診断や婦人科検診で子宮筋腫が見つかったとたんに、「子宮の全摘出をしないといけない」「赤ちゃんを産むことができない」「ガンに蝕まれる」などと勘違いをしてパニックになる女性も少なからず存在します。

しかし、子宮筋腫はあくまでも良性の腫瘍であって命に関わる物でもありません。

急いで治療する必要のある病気でもありませんから、何も発覚したからと言ってパニックに陥る必要はありません。

ですが、子宮筋腫の治療法は様々な種類があり、女性の体に出ている症状や子宮筋腫自体の大きさや場所、そして女性の年齢や本人がこの先妊娠や出産を希望するかどうかによっても、その治療方法も全く異なってきます。

ですから、子宮筋腫が見つかった時はまずは落ち着いて、「筋腫の大きさはどれくらいなのか?」「筋腫の場所はどこで、数はいくつなのか?」「自覚症状はどうなのか?」などの現在の筋腫の状態を知る必要があります。

また、子宮筋腫の治療法を選択する上では、妊娠や出産を含めた人生のライフプランとも密接に関わってきます。

子宮筋腫が見つかる事は特段珍しい事ではありませんから、家族やパートナーともしっかりと話し合い、自分に合った最適な治療法を選択する事が重要です。

経過観察という治療法

子宮筋腫はあくまでも良性の腫瘍

子宮筋腫を持っている女性の中でも、実際に症状が強くて手術での治療にまで至る女性は全体の5%ほどです。

子宮筋腫=手術というわけでもなく、自覚症状が全く何もない場合や下腹部痛や過多月経などの症状があってもその症状が軽く、日常生活に支障がない場合も、手術を行わずに経過観察で様子を見る事になります。

子宮筋腫の大きさが赤ちゃんの頭の大きさになってしまったら手術をしないといけないという考え方も一部の医師の間であるようですが、実際は手術が必要ないケースだって存在します。

ですから、子宮筋腫の治療として手術をするかどうかというのは難しい選択になるのですが、「子宮筋腫の大きさ」だけで手術を決めるというのは間違っていますし、大きさで手術の判断を下すような医師は独りよがりな考え方をしてしまっているかもしれませんので要注意です。

子宮筋腫はあくまでも“良性の腫瘍”ですから、症状がなければ経過観察をして様子を見るというのもちゃんとした治療法です。

ただし経過観察と言っても筋腫を放置しておくのではなく、3か月に1回や半年に1回などのペースで病院で子宮筋腫の状態をチェックし、前回の診察時との変化を定期的に見るようにしていきます。

手術をしない治療法を選択したからと言って安心してしまい、定期検診に行くのを忘れてしまったりすると、いつの間にか筋腫が大きくなってしまっていたり、突発的な痛みに襲われるようなリスクも出てきます。

また子宮筋腫の症状である貧血は徐々に症状が進行するので自覚症状がない場合が多く、筋腫の成長に気が付かないケースも多々ありますので、過多月経や圧迫症状、下腹部の痛みなどの症状も常に意識してチェックしてみるようにしましょう。

手術を行うかどうかは女性次第

子宮筋腫は子宮の芽(筋腫核)と呼ばれるものが女性ホルモンのエストロゲンの影響を受けて徐々に大きくなっていくものだと考えられていますが、女性ホルモンの影響を受け続けても子宮筋腫が全く大きくならない女性もたくさんいます。

女性ホルモンが長年に渡って分泌され続ける事になるので、一般的には年齢を重ねるごとに女性の子宮筋腫は大きくなるはずなのですが、筋腫が成長するスピードには個人差があります。

数か月であっという間に大きくなってしまう女性もいれば、10年経ってもなんら大きさが変わらない女性もいます。

筋腫が大きくならない女性は、40歳を過ぎてしまっていればもう手術はせずに閉経まで我慢してそれ以降は筋腫が小さくなっていくのをただ待つという選択肢もよくあるケースでしょう。

筋腫の状態や成長スピードが女性によって本当に10人10色だからこそ、子宮筋腫の経過観察も非常に立派な1つの治療法なのです。

手術による治療法

子宮筋腫による症状がかなり出ていて経過観察では対処できない場合には、一般的には手術によって子宮筋腫を治療する事になります。

仮に子宮筋腫の症状が全く出ていない場合でも、子宮筋腫ができている場所が悪くてそれが不妊症の原因だと考えられている場合なども、手術によって子宮筋腫を除去する事になります。

どの手術法を選ぶかは筋腫の場所や年齢、妊娠希望の有無などを総合的に加味して判断します。

子宮筋腫の手術には大きく分けて2種類あり、卵巣と卵管だけは残して子宮だけを全部取り除いてしまう子宮全摘術と、子宮は体内に残し、あくまでも子宮筋腫の芽(筋腫核)だけを取り除く筋腫核手術の2種類に分かれます。

そして子宮全摘術と筋腫核手術の両方に言える事なのですが、手術方法としては3種類の手術方法がありますので、それぞれを下記で詳しく解説します。

子宮全摘術

一昔前であれば、子宮筋腫=子宮全摘術という時代でしたが、医療技術も発達した現在では子宮筋腫の大きさや女性の年齢だけを見て子宮全摘術を勧められるケースは少なくなっています。

もちろん子宮筋腫の場所や大きさによっては、技術的な問題で筋腫核手術が難しくて子宮全摘術意外に選択肢がないというケースもありますから、医師の意見を聞いたうえで女性自身の考えも伝え、納得するまでよく手術の方法を熟考する必要性があるでしょう。

子宮を全摘しなければならない子宮全摘術の場合でも、卵巣や卵管は残して子宮だけを取り除き、子宮があった場所は自然と腸に置き換わります。

膣の一番奥の部分は手術時に糸で縫い合わせますから、子宮全摘術後1か月くらい経過すれば性行為に関しても問題なく行えるようになります。

子宮全摘術をすると聞くと“女性らしさが失われてしまんじゃないか”と心配する女性も多いですが、卵巣は残りますから、卵巣で生成された女性ホルモンが血液を通して全身に行きわたりますので問題ありませんし、手術前と同様に生活する事が可能です。

この子宮全摘術を行う手術の方法ですが、最も安全でリスクの少ない手術方法は開腹手術です。お腹を切断して手術を行います。(手術法3種類の詳細に関しては下記3.子宮全摘術と筋腫核手術における3種類の手術法を参照)

開腹手術のデメリットとしてはやはり手術後に痛みが出る事なのですが、術後のペインコントロールに関しては麻酔を使って抑える事が可能ですので昨今ではそこまで痛みを心配する必要はありません。2~3日もすれば自然と痛みも引いて次第に快方に向かいます。

筋腫核手術

もう一方の子宮全摘術ではない手術方法、子宮を残す方法で筋腫の除去のみを行うのが筋腫核手術です。

筋腫が不妊症の原因になっている女性、これから出産を希望する女性、子宮筋腫による症状が重い女性などが筋腫核手術の適用になります。

子宮全摘術に比べると出血量が多くなる傾向にありますので、輸血の準備をして手術に臨むのが一般的なのと、あとこの筋腫核手術の最大のデメリットとしては、再発する可能性が高いという事です。

まだ成長しきっていない筋腫の芽なども含めると物理的にすべての筋腫の芽を手術で除去する事は不可能なので、手術後数年したら女性ホルモンの影響を受けた筋腫の芽が成長して、また症状なども再発するという可能性も十分秘めているのです。

ちなみに医療技術が進歩したとはいえ、女性によっては筋腫核手術を行うのが難しく、子宮全摘術を余儀なくされる場合もあります。

筋腫核手術を行うのが難しいケースとしては、筋腫の芽(筋腫核)がいくらのように無数に存在している場合や、筋腫核手術の間に出血量が多くなって命の危険が伴うような場合です。このような場合子宮全摘術が選択されます。

 メリット  デメリット
 子宮全摘術 ・再発の心配がない・安全性が高い・筋腫の症状が無くなる ・子宮が無くなったという
喪失感が出やすい傾向にある・妊娠・出産ができない
 筋腫核手術 ・妊娠・出産が可能・子宮が温存できる・筋腫の症状が無くなる ・筋腫の再発の可能性がある・癒着が起きやすい・手術時に出血が多くなりやすい

子宮全摘術と筋腫核手術における3種類の手術法

子宮全摘術にしろ筋腫核手術にしろ、手術の方法には主に3種類の方法がありますので、それぞれの手術法を紹介します。

開腹手術

開腹手術はお腹を切って子宮筋腫の治療を行う手術で、子宮全摘術と筋腫核手術のどちらにも用いられます。

お腹の中を直接医師が見ながら施術できますので、安全という面では3つの手術法の中では最も確実ですし、手術時間も短く、出血量も少なくて済みます

デメリットとしてはやはりお腹を割くので手術後に強い痛みが出る(痛み止めで鎮静できます)という事と、お腹を切った大きな手術跡はずっと目立って残るという事です。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術はお腹を切らずに、4か所の小さい穴を腹部の周りに開け、そこの穴から操作鉗子(そうさかんし)と腹腔鏡カメラを入れて筋腫の治療を行う手術法です。

お腹を切らないので目立った大きな手術跡の残らず、最近では多くの女性が採用するのがこの腹腔鏡手術です。開ける穴も小さいので、手術後の痛みも開腹手術に比べたらましです。

また、傷口が小さいので入院期間も3~4日と短めで済、手術後の社会復帰も早めに実現できるのが一般的です。

ただしデメリットもあり、開腹手術に比べると技術を要するので手術時間は長くなる傾向にありますし、手術中に予想以上の大量出血が起こった場合は、緊急治療として開腹手術に移行するケースが稀にあります。

子宮鏡下手術

子宮鏡下手術は子宮内腔にできている筋腫を取り除く場合に限定される手術法で、膣から直接内視鏡のついたメスを入れ、粘膜下筋腫を除去します。

お腹を切ったり穴を開けたりしないので、3種類の手術の中では最も体への負担が少ない手術法で、よっぽどの事がない限りは1時間もかからずに手術は終了します。

入院期間も極めて短く済み、早い女性では手術の翌日には退院できるケースも稀ではありません。

負担が少なく容易にできる手術なのですが、子宮内腔にできた筋腫が飛び出ていて、膣から入れたメスで取り除けるものに限られます。

まとめ

子宮筋腫の治療法には様々なものがありますが、あくまでも女性の置かれた状況は全く異なりますので、どの治療法が正解というものはありません。

本人の希望と照らし合わせて、後悔のない治療法を選択する事が何よりも重要です。

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