「Kカルチャー」
<書評> 「ヒロシマを持ちかえった人々『韓国の広島』はなぜ生まれたのか」 市場淳子著
新世紀が幕を開けた。「戦争の世紀」二〇世紀を総括し、目指すべき二一世紀は「平和・非暴力の世紀」でなければならない。世界で唯一の被爆体験を持つ日本が「平和・非暴力の世紀」を創造するために果 さなければならない役割は大きい。しかし、その役割を果す上でも、植民地支配・原爆被爆・原爆棄民という三重苦を背負わされてきた在韓被爆者に真摯に向き合う必要があるのではないか?そのような問題意識を持って、私たち韓青連のメンバーも微力ながら在韓被爆者問題を学び、様々な取り組みに協力してきた。
著者の市場淳子さんは、二〇年以上に渡り「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」の活動に尽力され、現在は代表も務めておられる。
さて、本書の紹介に移る。本書は二部構成になっている。一部では「在韓被爆者の闘いの軌跡」を、二部では陜川(ハプチョン)から、なぜ多くの韓国人が広島にやってきたのかをそれぞれ実証的に検証している。在韓被爆者問題の大枠を理解する上で一部は非常にコンパクトかつ的確にまとまっている。そして、在韓被爆者に刻印された日本の影を深く探るのには、二部の実証的な検証は打って付けだ。また、所々に挿入されるコラムで読者の理解がより促進されるだろう。私もこのコラムを通 じて一九五七年から一九六七年までの一〇年間、沖縄の被爆者が日本本土の被爆者と同様の援護から排除されていたという事実を初めて知った。本当に日本政府には開いた口がふさがらない。
本書は、全体から行間から在韓被爆者の心からの叫びが浮かび上がってくる。そして、在韓被爆者問題の真の解決を求める著者の熱い思いが伝わってくる。私は、本書を読みながら、韓青連の学習会で徐錫佑さんの講演を聞きながら涙を流されていた著者の姿を何度も思い浮かべた。そして、在韓被爆者の方々の姿・話を何度も思い浮かべた。
本書を読み、改めて私は、在韓被爆者問題の真の解決の必要を痛感した。在韓被爆者問題を初めて学ぶ人にも、もう少し深く学ぼうとする人にも本書はお奨めである。
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