日本-在日-韓国 オンナのユースフォーラムPart2
玲夏―まず皆に聞きたいのは、自分が女性として日々生き難さを感じるのはどんなことなのかってことなんだけど。
貴絵―1つ1つ闘わなきゃいけないこと。女ということで職場でも常に緊張している部分がある。
菜織美―分かる。業務上、企業の人事担当者のオジサンと電話で話すことが多いんだけど、「分かるかなぁ〜?伝えといてね〜」と猫撫で声を出す。なめてるんですよ。
ヨンジ―私も初めて会う男性には緊張しますね。あの人、どんな人だろう?女性を無視するタイプかな?女性がタバコを吸ったら嫌な顔する人かな、とか。明子―私はずっとNGOで働いてたんですよ。そこはどちらかと言うと女性であることが武器になる部分があったんですね。そこから関連会社に移って、初めてお客さんに「君じゃ話にならないから上の人を呼んで来い」と言われたんですよ。で、私に肩書きが付くようになったら、今度は仕事がやたらまわってきて。(笑)女だからと言うより、日本社会自体が肩書きに弱いということかも知れないんですけど。
菜織美―致命的なのは、仕事が進まないこと。責任を持たせないから、仕事が出来ない。やる気もなくなる。
明子―仕事も原則的なことしか教えてもらえなくて、ここまではお客さんに対して妥協点を持っていいということがオープンになってない。トラブルが起きると、結局誰かが融通きかせて話がまとまる。初めから情報を与えておいて欲しいですよね。
ヨンジ―私の友達、数少ない女性の電気設計技師なのね。会社の殆どの女性は契約職で製図の仕事をしてるの。正規職員にしてあげると言っても、責任が生じるからと拒否する。男性はしばしば女性たちの仕事における無責任さを攻撃するでしょ?でも、女性たちをそうさせているのは男性たちのつくった構造じゃない。何か一生懸命やって能力を発揮しようにも、認めてもらえないし、昇進もない。
玲夏―じゃあ、男並に働きたい?熱血サラリーマンみたいに遅くまで死ぬほど仕事をしたい?
貴絵―私は男だとしても多分そうはしない。
菜織美―あたしも。(笑)
ユンジョン―でも、結局男が全てを仕事に捧げられるのだって、女の家事労働がそれを支えている場合にのみ可能なんじゃない。家庭を持っている場合、それが母親であれ妻であれ、誰かの家事労働無くしてはそれは成り立たない。既に男だったらどうしたいかという選択の問題ではないのよ。
ヨンジ―私、独身でしょ?時間を自分でコントロールできるから、夜遅くまで仕事をしたり、休日出勤もする。でも別のチームに既婚女性がいて、子どもがいるから家に早く帰らなきゃいけないのね。彼女の上司は彼女のことを編集者失格だというの。作家と夜遅くまで酒を酌み交わし話を引き出すのがいい編集者だという信念があるから、そう出来ない彼女に手厳しい。でも、彼女は九時から六時までしっかり仕事してる。勤務時間外に彼女が勉強してることとか家事をしていることとか、そういうのを一切考慮しない。私みたいに一人暮らしなら、食事も外で済ませばいい。でも家族のいる女性たちは家事も任されているから、同じように仕事するのは無理。
貴絵―ダラダラ職場に残ってるのは、男性が多いですよね。
ヨンジ―そう!そうなのよ!(笑)家帰って皿洗いでもすればいいじゃない。子どもの面倒みるとか。やることはいくらでもあるのにそれを全部妻がやっちゃうから、せいぜいテレビ見るくらいで、退屈なんだろうね。(笑)
明子―私は結婚して仕事もしたい。でもそれを両立させるにはあまりにも付随するものが多い。子どもは何人持てるかなとか家事をどうするとか、夫を教育しなきゃいけないとか。
ユンジョン―私は市民運動団体で働いていたんだけど、市民運動の場合、給料面も男女平等なのね。男女が一緒に歩みましょうということになってるし、一緒にタバコも吸える。初めはなんて良いんだろうと思った。でもよく見ると違う。結局そういう団体でも女性たちの状況は変わらなくて、全ては男性の思考パターンに基づいて回っていると感じるのね。時には余計腹が立つ。表では共に歩もうと言ってるくせに、本心では全然そう思ってないということを垣間見た時、本当に嫌になる。
ヨンジ―すっごい家父長的なのよ、運動圏のオトコ。
明子―なまじっか運動しているから、女性の権利がどうとか言うでしょ。タチ悪い。余計な変な知識だけつけて、実践が伴ってないみたいなの、ありますよね?あんたがやればって言いたくなるような。
玲夏―オイオイ、誰に怒ってるんだ?(笑)
ユンジョン―知ってると思い込むほうが危険よ。マイホームパパみたいな男性のほうがずっと私たちにとって有利だったりするもの。
ヨンジ―運動圏の男たちは知識があることで自分のほうが一般の男性よりも女性問題を知っていると錯覚してるのよ。ましてや自分は運動しているわけだから、さらに立派だと思い込んでる。
ユンジョン―自分の家族だけを大事に守る小市民的な男のほうが、私はずーっと良いわ。
ヨンジ―そうよ。そういう男性のほうがずっとずっと女性たちにとって何が辛いか分かってて、家事だって一緒にやってくれる。
明子―運動体の中で子どもを持つ男性たちが女性のことを考えようというのは良いんだけど、実感としてそれをどこまで分かってるのかなとは思いますよね。自分の子どもを負ぶってくる男性なんて、いないじゃないですか。
貴絵―ユースフォーラムの公的な場でもこういう話が出来れば良いんだけど。
ユンジョン―こういう話をしようとすると三八度線が引かれるような感じがするよね。
ミギョン―そう?韓国側が?あたしはそうは思わない。そんなにレベル低くないでしょう?
ユンジョン―深く話し合えるかどうかは疑問だわよ。
ヨンジ―「今回は平和について話し合うのに、なんで女性をテーマにするんだ」みたいな反応はありえる。
ミギョン―あたしはそう思わない。
玲夏―そう思わない理由は?
ミギョン―ここに集まっている人たちなら一緒に楽しんで対話できると思うから。例えばここにはKYCの男性もたくさん来てるけど、「女性はこう思ってるんだけど、あなたたちはどう?」って聞いたら、話弾むと思うけどな。男女間の平和の方がもっと重要じゃない。(笑)明子さん、どう思う?明子さんは日本人で日本のNGOで活動してた人じゃない。日本だったらこういう話し合いを持ちかけたとき、男性たちはどう反応する?
−後略−
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