韓国ウォッチ from KYC
誰かが最初に銃を下ろさなければならない(後編)
イム・ジェジョン(良心的兵役拒否者)
韓国人ということでイラクの武装団体によって殺害された故金鮮一氏。金鮮一氏を殺したイラク人達も自分の国を守るためにそうしたのでしょう。兵役拒否者達に向かって軍隊は自国の防護のためにあると言う人は、金鮮一氏を殺したイラク人を非難できません。その論理で見るならば、自分の国を侵略した米国を応援し派兵した「侵略国・韓国」に対抗し戦うために金鮮一氏を殺したイラク人達の行動は正当なことになるからです。では、派兵した韓国政府が誤っていたといって、金鮮一氏を殺したイラク人達は罪がないのでしょうか?あるいは、そのイラク人達を処罰するために、さらに多くの軍人を送らなければならないのでしょうか?もしも韓国でテロが起きたら、それは誰の責任なのでしょうか?テロリスト?それとも派兵を決定した政府?
このような暴力と戦争、憤怒の鎖を断ち切らなければならないと思いました。その鎖によって既に十分多くの命が失われ、苦痛を受けてきました。そして私は、その鎖を断ち切るためには誰かがまず銃を下ろさなければならないと確信しました。人間一人の小さな行動だとしても誰かがまず始めなければならない、韓国ではその「始める」ということがとくに大切だと判断しました。派兵数が3位の戦犯国家であるから。50年以上の分断状況下で数十万の軍人達が互いに銃を向けているから。
収監と出所
−信念を守る生き方が最も喜ばしい生き方
このような過程で兵役拒否を決心しましたが、その後収監されるまでの過程もまた楽ではありませんでした。特権層の兵役忌避が蔓延し、また軍事主義文化の中で兵役と軍隊が神聖視されていることから、私の兵役拒否という信念は多くの非難に直面しなければなりませんでした。また自分の監獄行きを前にして嗚咽する両親の反対に耐えるのは辛いことでした。眠れない夜を過ごしながら自問自答しましたが、信念を守って生きていくことが最も幸せな生き方になるだろうと信じて、兵役拒否を宣言し、収監されました。
心の準備をして入った監獄でしたので、中での生活は大変ではありませんでした。多くの読書と思索を通じて自らを省察できる機会にもなり、他の収監者たちと出会い世の中について学ぶ時間にもなりました。またこの間の兵役拒否運動の成果として、多くの方が拘束された兵役拒否者達を支えてくれましたが、私もやはりそういった方達の支えで結構ましな収監生活を送ることができました。多くの人達の支えにより、心身ともに健康で出所することができ、内的には自らの人生の中で必ず守ろうと決めた信念を守ったという思いに本当に感無量でした。
その後、この社会の中でどう生きていくべきかを模索し、平和運動にとって助けとなる勉強をしようという欲求から大学院進学のための準備をし、また平和運動において必要なことがあれば参与している現在です。
(以下、続く)
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