■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■   ○──────────────────────────────○     North Korea Today −食糧消息−  ◆第30号(2011年 8月15日)   ○──────────────────────────────○                   提供:在日コリアン青年連合(KEY) ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.key-j.org ━■  韓国のGood FriendsとJoin Together Society(JTS)両団体が発行する  ニュースレターから、朝鮮民主主義人民共和国の食糧事情に関連する  情報を翻訳してお伝えします。 【今回の掲載号】 ▼Good Friendsニュースレター410〜411号(2011年7月分)  http://www.goodfriends.or.kr/n_korea/n_korea11.html?page=1&   --------------------------------- ◆ 元山、5日分の食糧供給に歓喜 ---------------------------------  江原道元山では去る6月中旬、農作業に動員された女盟員と労働者らに5日分の 食糧を供給して歓声を受けた。商売もできない時「日照りに恵みの雨をばらまい てくれた」という反応であった。チェ・ミョンオク(仮名)氏は「大きい助けには ならなくても、1日1食の心配でも減らしてくれたのがありがたく、自ずと笑いが 出た」と語った。ある農場幹部は「直ちに明日また飢えたとしても今食べること ができることは良いことだ。5日分の食糧を受けとってもあのように喜ぶ姿をみ ると、配給がまともに出てくればどれほど好ましいことか」と語り自嘲気味に笑 った。  農村動員期間中、ずっと朝に粥を一杯ずるずるとすすって出てくると、頭がぐ るぐると回ってそのまま座り込む人々が多かった。仕事の強度は高く、腹が空い ていると頑張って仕事をすることはできない。ただ時間をつぶす形で仕事をする ことになる。ハン・ミョンソン(仮名)氏は「田植え期間にはとうてい仕事をでき ないと言った。どれほどこき使うのか。食べるものを少し与えて恩に着せながら、 仕事を強いられるなかで数日間過労に苦しんだ。いっそ食べ物を与えなくとも、 商売にでも通わせてくれと言いたかった」と語るほど、農作業はとてもつらくて 大変だ。それでも1週間に一度は食糧を供給しており、昨年よりははるかに良く なった。話では3-4日分の量というが、実際受けとってみれば2日分にもならない。 中間で抜いていく幹部があちこちで多いため、底辺住民たちに渡る量が急激に減 ったためだ。たとえ少ない量でも飢えた腹をなだめられるために「それでも生き ながらえることができる」という反応だ。飢えた腹を抱いて田植え戦闘を終わら せた住民たちはこれからまた草取りをする戦闘に突入した。 [Good Friends 410号(7/6配信)] -------------------------------------------- ◆ ジャガイモのおかげでようやく命をつなげ --------------------------------------------  咸鏡北道の農民は新ジャガ収穫が少なくて失望したが、それでも命がつながっ たという反応だ。3月から山菜と草の根を掘って食べて延命してきた農家で、特 にジャガイモ収穫に喜んでいる模様だ。昨年に受けとった配給量が法外に不足し て、早期に食糧が尽きてしまった農家が多かった。咸鏡北道清津市青岩区域稷下 里の野菜農場に通うパク・クムファ(仮名)氏は「わが家は3月末から山菜を掘り、 草粥を炊いて食べて命を維持してきた。今は菜園に植えたジャガイモを掘って食 べることができて山菜を食べる時よりはまだましだ」と語った。農民は市内の住 民たちと異なり商売をすることはできないため、農作業がほとんど唯一の収入源 だ。昨年夏に水害被害で収穫が少なかったが、取りたてられた軍用米を今年の初 めにまた収めたために、夏の食糧をあらかじめ蓄えておけなかった。やっと飢え て死なないほどの草粥とジャガイモなどで延命している。農村総動員時期に党関 係者があまりにも強く要求したために数えきれない程出勤した農民は、総動員が 終わるとすぐに一人、二人と欠勤する人が増加している。農場関係者は労力工数 を徹底的に明らかにし、秋の配給時にはっきりと計算をすると脅すが、農民は適 当に聞き流している。配給量だけあてにして暮らすより、個人農作業をすること の方がまだましだという判断からだ。農民は「秋に黄金山を抱かせるといっても、 今まさに飢え死にしようとしている時に、その時を期待しながら空だけ見つめる ことができるだろうか。今命を維持して生き残る方法は小土地農作業を行うこと だ」と語る。  清津市党では今年の初め各機関、企業所に農場副業地を労働者人員により差別 配分してジャガイモ農業を行えと勧告した。金策製鉄所のような特級企業所を除 き、一般企業所は歓迎意思を表わした。工場毎に自らの予算が不足した分を労働 者らから徴収して、種子と肥料など農業資材を購入した。清津バス工場では労働 者1人当りジャガイモ種子価格2,000ウォンと肥料価格3,000ウォンなどを納めた。 労働者は昼食の弁当を包んで通い、熱心に農業を行った。実際にジャガイモを収 穫してみると、一人当り10kgにも満たなかったせいで、虚脱感を隠すことができ なかった。「私のお金を出して種子を買い、肥料を買い、毎日のように弁当を包 んで通ったことを計算してみると、その金を使って市場でジャガイモを買って食 べても1ヶ月の配給分は出る。来年もこういうことならば、やらない方がましだ」 という労働者が多い。良くない耕作地で非常に不足した農業資材でジャガイモ農 業を行ったので収穫が低くならざるを得なかった。初めは機関、企業所に農場副 業地を与えることに農場関係者たちは内心不満が多かった。自分たちが全部植え ても一人当りの分配量が非常に不足したが、工場、企業所に耕作地を与えたなら ば、そちらの方の分配量が多くなってしまうという考えからだ。企業所も良い土 地を求めて固執できなかった。収穫が少なくて労働者は失望が大きかったが、そ れでも新ジャガが市場に出回ることで、一般住民たちの食生活には大きく助けに なっている。一方、機関、企業所はジャガイモを全て収穫した後、冬キムチ用白 菜と大根を植えようと畑の整理作業をしている。毎年7月20日頃ならば白菜と大 根を植える。  黄海南道殷栗郡は田畑が多い穀倉地帯だが、ここだけを食糧難が避けることは なかった。春窮期の期間中、ずっと農民は飢えた腹を抱えながら、やっとのこと で農作業を行った。去る3-4ヶ月の間、草粥をすするように食いつないできた農 民は、最近新ジャガが出てくるや否や、ようやく生きることができそうだと喜ん でいる。殷栗邑に住むキム・ヨンヒ(仮名)氏は「日照りの最中に恵みの雨が降る ように、新ジャガが出てきて生活に大きく助けになっている」と語った。工場労 働者らも少ない者で一週間の分量、多くて20日の分量までジャガイモ配給を受け ることになり、しばらく一息つけたという反応だ。今年4月、殷栗郡でも郡党の 指示で工場、企業所に農場、畑を分配して、ジャガイモ農業をするようにした。 幹部の手腕が良くて肥料調達が上手な工場、企業所では20日以上の配給量を与え る程収穫高が高かったが、実際はそうでないところがさらに多かった。殷栗郡都 市建設事業所のように、ジャガイモ配給をほとんど与えることができない所もあ った。郡党のある関係者は「新ジャガが出てきて多いに役に立っている。少しだ け我慢して耐えしのべば、7月初めから麦を収穫でき、飢死することは減るだろ うと考えている。私たちの郡民はジャガイモに山菜を混ぜて量を増やして耐えて いる」と伝えた。 [Good Friends 411号(7/13配信)] -------------------------------------- ◆ 新兵訓練所、腹が減った脱営兵続出 --------------------------------------  黄海北道瑞興郡に駐留している4.25訓練所の食糧状況も別段異ならない。入隊 時期は概して18-19才。身長160cmならば大きい方に属するほどにますます体格が 小さくなっている。訓練生らは昨年の冬から現在まで、草の根と山菜を摘んで山 菜飯を食べてきた。よく食べて大きくなければならない時期にしっかり食べるこ とができず、腹が減ることに絶えられずに新兵訓練所から逃走して家に帰った事 例が続出した。新入兵士訓練所では「(食糧難に)苦しくても克服して勝ち抜こう」 と宣伝事業と教養事業を強化している。逃走しても復帰するといえば機会をもう 一度与えるが、最後まで拒否すれば厳罰に処して最も劣悪な炭鉱、鉱山に配置す ると警告した。飢える幼い訓練生らの耳にはろくに聞こえない。  どうせ除隊しても家に帰ることができず、炭鉱や農村に無理やり配置されるの で、はやく逃げるほど良いという訓練兵らもいる。実際に脱走するといっても多 くの人数が出るわけではないが、ひとまず出て行ってみようというのだ。捕まら ないように山道を歩いてみると、主に農家を襲撃して食事を済ませることになる。 そうするうちに人を殺傷する不祥事も起こる。去る6月中旬にも黄海北道平山郡 平山邑にある村を通り過ぎた訓練所脱走兵が農家に押し入り、抵抗した農民夫婦 を殺害した事件が起きたこともあった。ジャガイモいくつかを盗もうとしたこと が殺人を引き起こしたのだ。  訓練所では脱走兵が増加するのも問題だが、平山邑の事例のように盗みや強盗 を日常的に行うことが軍民関係を傷つけており、さらに頭を痛めている。「(訓 練兵が)人民らを鳥肌が立つほどとても困らせており、今では村の入り口に軍服 を着た人がうろつくだけでも、住民がすぐに互いに警戒しろと注意をしている程 だ。集団で順番を決めて監視する」と語る。犯罪の元凶という扱いを受ける軍人 にも言い分はある。「いくら国のために命を捧げても何の意味があるのか。自分 の体調を整えることもできず、虚弱や病気にかかって死ぬこともあり一生苦労す るが、今の時期は盗んで食べてでも虚弱にならない者が賢い兵士だ」と語ってい る。  黄海北道鳳山郡に駐留している4.25訓練所曲射砲連隊でも、最近新ジャガを収 穫して食糧に加えている。今年のはじめ、訓練所指揮部では傘下連隊毎に「自ら の副業地を積極的に利用して新ジャガをはじめとする作物をたくさん植えろ」と 指示した。 食糧問題に最大限各部隊で関わり、解決せよという指示であった。 朝にはトウモロコシご飯、昼と夕方には新ジャガを与えるが、量が少ない。トウ モロコシご飯は120gもない時が多く、ジャガイモも1食に5-6個程度に過ぎない。 若い男が腹が減ると訴えるのも当然のことだ。一部の軍人らは夕方に早く寝ても、 あまりにも腹が減って眠れないといい、何人かの同僚らと群れをなして、農場の 畑や個人の小土地の畑にこっそりと入って盗むことが日常だと語った。時々農民 らや住民たちの抗議申し入れがあるが、部隊でも人が怪我をしたりあまりにもひ どい時にのみ注意を与えるだけだ。  昨年入隊したパク・ミョンホ(仮名)氏は入ってくるときは体重が60kg程度だっ たが、今は40kg台にまで大きく落ちた。部隊では今年春にパク氏のように栄養失 調状態が深刻な訓練兵20名余りを帰宅措置にした。部隊軍医所で治療ができない ため、死ぬ前に家に送るのだ。 死にかけた姿で現れた息子を見る両親たちの心 情は途方に暮れるほかない。朴氏の母親は「大事な息子を育てて国に捧げたが、 どうしてこんなことになったのか。二度と人民軍には送らない」と語った。  曲射砲連隊のある軍官は「親たちの心情も理解できる。軍官世帯も家族たちへ の配給を受けることができず、離れて暮らす場合が多い。私の妻も実家に居候し ている。人民武力部後方総局で軍官本人にのみ食糧配給を与え、家族の食糧は農 業をして自分で解決しろという。新婚生活を始めた軍官の中には離婚すると提起 する女性たちも現れている。私たち軍官でもこれほどだから、下士官と新兵はさ らに言うまでもないだろう。7月になれば夏季訓練をすることになるが、誰も腹 いっぱいに食べることができず、重厚な曲射砲を扱うのが難しい。訓練でもきち んとできるかわからない」と心配した。 [Good Friends 411号(7/13配信)] -------------------------------- ◆ 軍人ら、草ご飯戦闘終わるか --------------------------------  不足した食事を補おうと、戦闘ではない戦闘をしてきた軍人の食事に小さな変 化がおきた。今年のジャガイモのおかげだ。江原道平康郡5軍団傘下部隊では今 春ずっと草ご飯を主食として食べてきたようなものだ。時々トウモロコシご飯が 支給されたが、草ご飯を食べる日が特に多かった。栄養失調にかかった軍人は山 を歩き回りながら山菜を掘ることが主要な日課であった。「専ら草だけを食べて、 どうやって戦えというのか。いくら命を捧げて戦う決死隊自爆勇士になろうとし ても、食べてこそ頑張って戦える。今と同じでは、直ちに戦争が起きたといって も虚弱な状態で動くこともできない」という言葉はつまらない声ではない。開城 市に駐留する2軍団部隊は、今春山菜にトウモロコシ米を混ぜて量を増やして食 べた。草ばかりで、トウモロコシ米がまばらにあるご飯だった。一日一人当り定 量700gは影も形もなく、300-400g台で昨年程度を維持しているが、ご飯がさらに 不足したのだ。それでも純朴な一部軍人は、すぐにトウモロコシが出れば状況が ますます良くなるはずだと楽観する。  江原道平康で軍務6年目に入るというリ・クッチョル(仮名)氏は「昨年の冬に はばったりと死んでしまうかと思った。深い山奥で真冬になると、山の野原が雪 で覆われてしまい、山菜があるか、草の根を掘ることができるか…。正月が過ぎ て、配給が出てきてやっと生き返った。それでも、春には草が芽生えて山菜も掘 ることができ、量を精一杯増やして草ご飯でも食べることができた。今は同じ草 ご飯といっても、トウモロコシ米にジャガイモをさらに混ぜて食べるとましだ」 と語った。 草ご飯戦闘が終わりそうかと尋ねると、リ氏は首を横に振った。 「農場を襲撃して盗んだものなどを食べながら生き残ったが、わたしたちの副業 地の農業収穫も少ないけれど、農民らのジャガイモ農業で作ったのを見ると思わ しくなかった。奪い取って食べるものが少なく、草ご飯戦闘はすぐに終わりそう にない」と語った。 [Good Friends 411号(7/13配信)] -------------------------------------- ◆ 新ジャガ、軍人らに奪われて泣き顔 --------------------------------------  いよいよ新ジャガが出てくる季節がきた。草の根で延命した農民がいよいよ望 んだ季節がやってきたが、そのように喜ぶことができないのはジャガイモ収穫が 期待より少ないせいだ。初春にあまりにも食糧の苦労が大きかったために、種子 を植えてからいくらも経たないうちにすぐに掘って食べたりもしたし、軍人らに いつも盗難にあった。平安北道義州郡の場合、住民数よりも軍人数がさらに多い ほどなので被害がひと際大きかった。実際に新ジャガを掘ろうとすると、すべて 所々軍人らが食い荒らした後だった。軍隊の泥棒に奪われる前にまだ成熟してい ないジャガイモをあらかじめおさめてしまった農場もあった。小土地農作業も同 じだ。義州郡水鎭里に住むチャン・ジョンファ(仮名)氏は「150坪ジャガイモ農 業をしていたが、軍人らに根こそぎ盗まれて今は収穫することもない。どれ程大 切に育ててきたか。それが全て奪われた。それでトウモロコシが出てくる時まで 持ちこたえなければならないのに、どのようにして生きていくべきか途方に暮れ てしまう」と嘆いた。軍部隊も自らの副業地で生産した新ジャガをかき集めたが 満足できる程の量ではない。非常に腹が減った若い男に一食毎に5-6個に満たな い小さなジャガイモだけ食べさせるのだから、軍人が耐えしのぶのも大変だ。栄 養失調にかかって軍生活をまともに送ることが難しい軍人は、深刻な場合は家に 送りかえしている。それでも気力が残っている軍人は近隣農場や畑を歩き回って ジャガイモの確保に出向く。今は麦が熟すのを待っているが、6月末現在までは ジャガイモが最善だ。 [Good Friends 411号(7/13配信)] ----------------------------------------------------------- ◆ 企画連載- 2012、強盛大国の条件(1)食糧問題必ず解決する -----------------------------------------------------------  D-dayは2012年4月15日。もう1年も残っていない。北朝鮮は果たして強盛大国 の門を開け放つことができるだろうか。世間の関心に誰より苛立っているのは、 やはり当事者らであろう。国内外に強盛大国の門を開いたと全世界に知らせるこ とができる信号弾を、一日も早く準備しなければならないためだ。北朝鮮幹部に 尋ねた。強盛大国の条件は何かと。彼らは共通して三つに言及した。食糧、電気、 そして平壌10万世帯建設。全て民間問題と直結していて、経済発展を意味するも のだ。強盛大国は結局、体制保障の上に成り立つ富強祖国のもう一つの名前であ るわけだ。これから3回にわたり、北朝鮮指導部が設定した強盛大国の方向を探っ てみる。  最近北朝鮮指導部の歩みが早くなった。度重なる会議の中で新しい方針が次か ら次へ下されているようだ。新しい方針には指導部の悲壮感すら伺えるが、最前 線の実務者らの反応は快くはないようだ。彼らが遂行しなければならない課題が 首領決死擁護の精神だけで克服しにくいからであろう。下部単位で話をよく聞か なければ、恐怖政治のみで押しつけることはできない。北朝鮮指導部はどんな指 導力で強盛大国の門を開くのだろうか。私たちは彼らの前に置かれた難題を、彼 らの視覚を通して計ってみようと思う。彼らが直面した矛盾と限界を明確に認識 する時、統一のための私たちの役割がより鮮明になるからである。 1.食糧問題、必ず解決する。 2.電力供給に全力を尽くせ。 3.平壌10万世帯建設の夢。 1.食糧問題、必ず解決する。 「食糧問題を来年には必ず解決しなければならない。」やはり食べる問題が第一 だ。来年4月15日になれば、米のたくさん入った倉庫で住民たちに配給を分けな ければならない。もう1年も残っていないが、今年も農業の展望は明るくない。 慢性的な肥料難と農業資材不足に今年の冬の例年とは違った極寒と初夏の日照り、 後に続いた集中豪雨など気候まで全てが異常だ。人材はどうか。春窮期の激しい 飢えに疲れた住民らは、田畑で仕事をしては栄養失調で倒れ病院に運ばれる。強 盛大国の門を開け放とうとしても、問題が山積みだ。食糧問題の解決方法を探す ことができるだろうか。 ○中国からいくら入ってきたか?「尋ねるな、疲れる」  最近の中国との接近を見て、金正日国防委員長の訪中以後、中国から食糧がど れほど入ってきたのか中央党幹部に尋ねた。だが、すぐに「尋ねるな、疲れる」 という反応が帰ってきた。ざっと見ても10万トンもならないようだとされる。幹 部によっては5万トン程入ったという人もいれば7〜9万トンという人もいるが、 10万トンは越えないだろうというのが共通した意見だ。かろうじて平壌市内にの み供給できる水準であると語った。それももう全て尽きてしまい、平壌の食糧問 題が一刻を争うという。中国との経済協力構想は遠大だが、まだ道のりは遠く見 える。 ○信じられるのは海外代表部だけか?  やはり信じられるのは海外代表部だけなのか。党、政府幹部が会議を繰り返し たあげく、最近の中央党はすべての海外代表部に食糧課題を割り当てろとの指示 を与えた。食糧割当量を伝え聞いた海外代表部は驚きを隠せない状況だという。 「われわれ全員に死ねということか」という反論が出てくる。今までじっとした のに、なぜ突然こうするのか分からないという反応も出ている。  海外代表部のある幹部は不意に、綾巻で牛を追う(*注)ようなものだと語っ た。今年の冬、軍糧米課題も困難を極めお手上げだったが、今回の食糧課題は軍 糧米とは比較さえできない程途方もない金額だと語った。軍糧米の時と比べても 40倍以上になるということだ。いったい割当量がいくらかと尋ねると、「まだ公 式に伝えられていない」といいながら、「代表部毎に5千トンは出すべきだ」と 耳打ちした。「50トンでもなくて5千トンとは、私が聞いても明らかに疑わしく て再び尋ねた」と語り、まだ公式通知は受けることができないが確認された事実 だと語った。各自引き受けた各種課題に、本来の任務を果たすことも難しいのに、 その多くの食糧資金をどこでかき集めようかとため息をついた。とうてい遂行不 可能なことだと語った。  一部の海外代表部幹部らの反応はいかにも激烈だ。最近、貿易省幹部を粛清す るという話が出回り、食糧購入を口実に海外代表部の最前線の実務者までみな首 切りをしようとしているのではないかと疑う声もある。毎年春の端境期になれば、 食糧を購入しろとの指示が下ったりしたが、今年は2月以後何の指示もなく、本 国の食糧事情が少し良くなったようだと考えて完全に騙されたという人々もいる。 ひとまず様子見しようという部類もいる。まだ本国で公式的な話が出てきた訳で はないため待とうということだ。彼らは、「まさかそこまで私たちを困らせるか、 私たちがどうやって多くの食糧を調達することができるというのか」と努力しな がら不安感をかき消そうとしている。  国内幹部は「この間そのように食糧問題が解決しないと話す時は全く聞かなか ったのに、全国で人々が死んでいくという報告が上がってきて今更指示を与える のは遅すぎるのではないのか。今まで何をしていたのだ。強盛大国の門まで行く 前に皆死ぬ」として割当指示がとても遅れたと不満を語る。中では漠然と外に出 て行っている幹部だけ眺めて、外にいる幹部は話にもならない処置と反発してい る。 ○海外援助団体への接触が容易に?  一方、海外援助団体の支援幅を広げようとする動きが感知されている。一例で、 現場分配が原則の対北朝鮮支援団体が、写真やビデオ撮影をしたりしたが、彼ら が去った後担当幹部が処罰される事例が多かった。このような事例が反復され、 海外団体と接触すること自体が危険になり、自然に食糧援助要請も減った。海外 関係者と密かに接触しようとする人はいても、公式に相手にすることが減ったの だ。ひとまず担当幹部の安全を保障してこそ海外団体らとの接触面積が広くなり、 支援される可能性もそれだけ高まるため、このような方向で新しい方針が決まる ものと見られる。中央党のある幹部は、今後海外援助団体と接触する幹部を調査 するのは国家安全保衛部であり、支援する過程全体を監視するのは人民保安部で 行うという方法で、役割分担をすることになるだろうと語った。海外援助団体の 要求条件も一部受け入れるという新しい方針が出るという話もある。近い将来、 海外援助団体に大々的に食糧支援を要請するための布石でないかという観測が用 心深く提起されている。 ○農業投資だけが生きる道  中央党ではすぐに来年を見据えて海外援助を要請し、海外代表部に食糧輸入を 促す一方、根本的な対策準備にも腐心しているようだ。「わが国は山地が多く技 術も落伍して、肥料がなくて、土地が少なくて毎年食糧のない苦痛を味わってき た。海外で一定の食糧支援がなければ今後も困難を経験するほかはない。長期的 には農業に投資して食べる問題を解決しなければならない。農業技術革新、設備 投資、種子改善、肥料などをまず確保しなければならない。一番のカギはやはり 農業でも電力だ。農業現代化と電力問題を解決すれば農業問題も解決できる」と いうのが中央党の診断と対策だ。短期的には海外代表部と海外からの食糧輸入を、 長期的には農業投資を引き出して食糧問題を解決するという戦略だ。問題は実行 の可能性だ。農業投資を誰がどのように引き出すかがカギである。(終わり) [Good Friends 411号(7/20配信)] (綾巻で牛を追う:ことわざで、適当でないことを無理に強行すること。綾巻と          は砧を打つときに衣類を巻きつける棒のこと *訳者注) ──────────────────────────────────── ▼KEYは、朝鮮民主主義人民共和国・咸鏡北道の子どもたちに食糧や栄養食を  支援する『咸鏡北道オリニ結縁募金』を常時集めています。詳細はこちら。   http://www.key-j.org/program/doc/jts/orini.html ▼このニュースレターのバックナンバーや、登録・解除の手続きは、こちら。   http://www.mag2.com/m/0000281737.html □++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++□   ●編集・発行●    在日コリアン青年連合(KEY) 事務局      〒540-0004 大阪市中央区玉造1-13-1-3F      TEL: 06-6762-7261  FAX: 06-6762-7262      URL: http://www.key-j.org  *このニュースレターに関するメールのお問い合わせはdprk@key-j.orgまで □++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++□