[声明文]韓国旅券発給時の指紋採取に反対する
外交通商部長官代行 シン・ガッス 貴下
私たちが継続して関心を持ち続けてきた旅券法に関して、2009年10月19日に一部改正法律案が公布され、今年1月1日に施行されました。今回の改正に伴い旅券発給時に指紋押捺が必要とされ、既に住民登録情報として保管されている指紋情報と照合することで本人確認を行なうことが条項に折り込まれており、在外国民からも実際に指紋情報を採取していることが確認されました。
先日送付した私たちの質問状で、本人確認を目的とする指紋採取制度について照合情報の無い海外国民からの採取に関する合理性を尋ねました。回答では「日本居住同胞の場合、住民登録番号が無かったり、警察庁D/Bに指紋が未登録になったりしており、受付をして直ちに指紋対照確認が困難である」と認めており、到底納得のできる説明になっていません。また同回答で「日本国内外国人登録制度施行当時、外国人に対して差別適用された指紋強制捺印制度の趣旨及び施行方法等とは異な」るとされています。確かに趣旨は異なりますが、これまで私たちが何度も指摘している通り、在日同胞は指紋情報の採取に関して非常にセンシティブな思いを抱いています。1952年に公布された外国人登録法とそこで定められた指紋押捺制度は、専ら朝鮮人を中心とした外国人の統制・管理を目的としていたことは周知の事実です。私たち在日同胞にとっての指紋押捺制度とは、自らの歴史的経験に根ざした屈辱感、不快感、心の痛みの象徴に他ならないのです。
また私たちが要求するのは在日同胞の歴史的特殊性を鑑みた措置を講ずることのみにありません。住民登録をしている韓国人にとっても本改定により、たとえ海外に居住していても旅券発給・更新時に新たに指紋押捺が求められることになりました。住民登録の時のみならず、さらに指紋押捺を強制される場面が増えたことに対して、私たちは問題だと指摘せざるを得ません。
この間、米国に始まった外国人の入国時における指紋情報及び顔写真の採取制度が日本でも取り入れられ、韓国においても今年9月から段階的に運用されています。私たちは国際犯罪・テロ防止という名の下に、指紋をはじめとしたセンシティブ情報による管理体制が世界大で拡散していることに大きな危惧を覚えています。高度な個人情報による管理制度は市民の権利とプライバシーを著しく侵害する可能性を孕みます。
今回の法改定は、まさにこのような普遍的な人権感覚に逆行する事態として受け止められ、私たちはこのような観点からも、改めて指紋情報採取に反対の意志を強く表明します。
2010年10月7日
在日コリアン青年連合(KEY)
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