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韓国で審議中の出入国管理法改定案に反対する要望書を提出[2009.12.15]

2009年12月15日現在、韓国国会・法制司法委員会で出入国管理法改定案が審議中であり、本会議の議決を目前に控えています。この法案は、外国人は入国審査の際に顔写真を撮影し、指紋を採取するというものです。

私たちKEYはこの法案に反対する以下の要望書を、韓国の法制司法委員会議長宛に送付しました。


 

要望書 外国人からの指紋等生体情報採取制度を導入しないでください

韓国政府は2009年11月3日、大統領主催の閣僚会議を開催し、出入国管理法改正案を審議・議決しました。その後11月11日政府案が国会に提出され、現在は法制司法委員会で審議中であり、本会議の議決を目前に控えています。この法案は「不法入国と犯罪・テロ容疑者の入国を遮断し、急増している外国人犯罪に対応するため」との認識のもと、2012年7月1日から17歳以上の外国人は空港や港の入国審査で顔写真を撮影し、指紋を採取するというもので、登録を拒否した場合入国が許可されないこともあるとされています。また、90日以上滞在する外国人が行わなければならない外国人登録の際にも、指紋を採取する制度を復活させることになっています。

日本では既に2007年11月、特別永住者や16歳未満を除くすべての外国人に対し、入国・再入国の度に、指紋と顔情報の提供を義務づけるシステムを開始しています。「テロ対策」という名目のもとで導入された同制度は、プライバシーの侵害、外国人差別を助長するものとして人権侵害は明白である一方、その有効性にも疑問符がつけられています。このような認識のもと、私たち在日コリアンは、他の在日外国人や日本の市民とともに制度導入に対して強く反対しています。
入国時に外国人から生体情報の取得を強制している制度を現在導入しているのは米国、日本のみです。私たちは、多大な人権侵害をもたらす同制度を韓国が実施することについて強く反対し、その見直しを求めます。

韓国政府は2008年2月旅券法を一部改正し、旅券を電子化するとともに、指紋情報をICチップに収録することになりました。私たちはこの制度に反対する声明文を外交通商部に送付しました。しかし2009年10月、指紋情報を旅券に収録する制度案を白紙化する旅券法一部改正法律案が国会を通過、公布されました。この措置に関して韓国国会のサイトには、改正理由として「人権侵害のおそれがある」ということを指摘しています。指紋情報の採取強制が人権侵害となり得ることを国会自身が認めているわけです。人権とはそもそも韓国民のみに限定されるものではなく、外国人を含むすべての人々に保障されなければならないという当然のことを確認しなければなりません。

2007年、在韓外国人処遇基本法が制定されましたが、その理念は「外国人と共に生きる開かれた社会の具現」であったはずです。管理政策のみではなく、外国人が韓国社会に適応しホスト国民とともに相互理解・相互尊重する社会環境を作り出していこうとする試みに対して、私たちは外国に居住するコリアンとしても大きな期待を寄せていました。
私たちは、ルーツをもつ韓国が管理によって安全を保障するのではなく、居住する人々の間に安心と優しさを育むことで安全を作り出す、そのような“人権先進国家”としての先をリードしていってほしいという切実な思いを持っています。

何よりも、韓日の狭間に存在し、日本においては外国人として一貫して差別・排外・管理体制に反対してきた私たち在日コリアンの思いを強調しておかなければなりません。私たちにとって、戦後とは排外的な入管法・外登法との闘いの歴史でもありました。そして歴史的に外国人管理の象徴として存在し続けた指紋の採取は、私たち在日コリアンにとっては屈辱的な思いを想起させるものに他なりません。国際化の時代を迎え、様々な外国人が居住するようになった現在、日本社会に長く生活基盤を持つマイノリティとして、新たに渡日してきた外国人が、生活者として共生していく環境を整備すべく、治安管理一本の法整備に反対の意志を表明してきましたが、ここに来ての韓国の動きは、私たちの願いに水を差すものに他ならず、失望の念を禁じえません。
 私たちは、あらためて「開かれた社会の具現」に逆行する、外国人からの生体情報採取制度の成立に反対の意志を表明し、この制度が導入されないことを強く要求します。

2009年12月15日 
在日コリアン青年連合(KEY)
共同代表 康利行、姜晃範、金朋央

■要望書の韓国語版(PDF)

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要望書 外国人からの指紋等生体情報採取制度を導入しないでください(韓国語).pdf へのリンク