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JTS羅先オリニ結縁事業

オリニ結縁通信 No.2 [1998.9.10]

 5月末から募集を始めた結縁者は、8月以降も着実に増え、9月8日現在、138人・206口にのぼっています。また8月には、兵庫地域で街頭募金活動で118,107円、大阪地域で在日同胞対象の戸別 訪問で約10万円の募金が寄せられています。

 前号でもお伝えしたように、皆さんの協力のおかげで、韓青連では、5月分から「チョサン託児所」(98人)、8月分から「ユヒョン農場幼稚園」(90人)と結縁関係を結んでいます。 支援金の送金・伝達については、8月中旬にJTSの担当者と会って、直接「ユヒョン農場幼稚園」への8月分の支援金を伝達し、今日、「チョサン託児所」と「ユヒョン農場幼稚園」への9月分の支援金を国際為替郵便で送金しました。今後とも継続支援のほど、よろしくお願いします。

 10月3日(東京)、4日(大阪)で 羅津・先鋒子ども結縁事業説明会を開催します! JTS/同胞助け合い仏教運動本部の法輪和尚が来られます。

 来る10月3日(土)に「東京芸術劇場」(池袋)、4日(日)に「たかつガーデン」(上本町)で、「羅津・先鋒子ども結縁事業説明会」を開催します。


 北朝鮮の「ミサイル問題」のために、日本国内の北朝鮮認識が極度に悪化し、人道支援さえも「中断すべきだ」、甚だしくは在日コリアンに対する制裁まで主張する声が出てきています。今回の事件がミサイル発射であれ、人工衛星であれ、事前通 告なしに日本列島を横断して発射されたことは問題ですが、これによって人道支援の熱が冷め、北朝鮮の子どもや住民が飢えることがあってはなりません。また日本が「制裁論」や「報復論」ではなく、逆に外交的な解決努力をもっと強めるべきだと思います。国家間の対立や緊張の中で犠牲になるのは、常に一般 の民衆です。私たちは人道的な直接支援を継続する中で、国家と国家ではない、人と人との交流・対話を積み重ねること、それこそが本当の平和を築いていく一歩だと思います。 今回、JTS/同胞助け合い仏教運動本部で、北朝鮮の人々を飢えと病気から救うために東奔西走されている法輪和尚を韓国からお呼びして講演していただきます。講演では、北朝鮮からの食糧難民の実態調査を含めて食糧問題の現状、韓国における今後の支援活動の方向、そしてJTSが行っている子ども結縁事業について、詳しくお話していただきます。南北の厳しい政治・軍事的対立の中で、活発に支援活動に取り組み、世界に支援を訴えてきた韓国の民間団体が考える北朝鮮支援活動の意義や今後の方向性を直接聞くことができる重要な機会です。結縁者の皆さん、ぜひ参加してください。


子ども結縁事業の評価と展望 韓国JTS「JTS」通巻13号(1998年8月/9月)

 前号でお伝えしたように、北朝鮮当局が、5月22日に、「米国ニューヨークJTS羅津・先鋒常駐代表事務所」設立を正式認准し、6月から常駐代表事務所が開設されるようになりました。これを契機にさらに多様な直接支援が可能になるものと考えられます。このような新しい展開を迎えて、JTSは今後どのような支援活動を考えているのかを知る上で大きな助けになると考え、JTSの機関誌から「北の子ども結縁事業の評価と展望」と「『北の子ども結縁事業』と関連してJTSに望む文」を訳出してみました。ご参照ください。


北の子ども結縁事業の評価と展望 李花承(韓国JTS事務局長)

 数年間続いた自然災害はそうでなくても脆弱な北韓の食糧事情を最悪の状態に追いやっている。現在まで飢えと疾病で少なくとも300万名の北韓住民が死亡したものと確認されており、国際社会や南韓政府の大量 食糧支援が早く行われなければ、今後どれほど多くの人々が死んでいくのか、誰も予測できない。

 社会維持のための最小限の食糧さえ不足する北韓の現在の状況で、どんな形態であれ食糧配給に関する優先順位 が生じるほかなく、その過程で実際に餓死に直面している多くの数の北韓住民、特に老人と子ども、女性は食糧配給の優先順位 から阻害される他ない。

 実際、食糧が至急に必要な人々に早く確実に伝達できる方法は果たしてどんなものになるだろうか。これは北韓同胞支援運動をしている多くの団体の悩みだった。JTSもやはりそのような悩みをしていた中で、自由経済貿易地帯に設定され、現地で直接救護活動が可能な羅津・先鋒市から救護事業を実施することに決定した。  「北の子ども結縁事業」はこのようにして始まった。97年11月、米国JTSと羅津・先鋒行政経済委員会は104の託児所と幼稚園の11,400名余りの子どもに栄養食品と医薬品を無償支援することに合意した。

 JTSの「北の子ども結縁事業」は参与する個人と団体が支援対象を直接選択でき、支援過程の透明性が補償され、支援結果 をモニタリングできるという点で既存の支援方式(募金された食糧と物品を北韓に伝達、北韓当局で分配を担当する方式)とは明らかな差別 性がある。97年12月から羅津・先鋒地域に対する結縁事業が始まるや、国内外の多くの個人と団体で結縁事業に同参し始め、現在90%程度の結縁が完了した状況だ。

 「北の子ども結縁事業」は、国内北韓同胞支援運動の拡散、世論形成に一定部分寄与したものと判断される。事業初期にはJTS自体の広報を通 じて結縁者を募集したが、北の子どもの悲惨な生活像が知らされ、結縁に参加した個人と団体の一部が結縁事業と北韓支援の必要性を知らせる広報団(?)としての役割をし始め、一部団体の場合、北韓同胞支援を重要な事業と選定し、独自的に会員を拡大させ、北韓同胞支援キャンペーンを実施するなどの活動を行っている。

 飢えている北韓同胞を生かそうという純粋な心から、どんな条件も付けずに無条件に助けようと始めた「北の子ども結縁事業」は、いま新しい転機を迎えている。  初めは何か目的があるのではないかと疑っていた北韓当局も、長期間条件のない支援が継続されると信頼感を持ち始めた。その結果 、去る5月22日、「米国ニューヨークJTS羅津・先鋒常駐代表事務所」設立を北韓当局が正式認准するようになった。これは民間救護機構の現地支社設立と派遣人力の現地常駐を北韓当局が初めて公式承認したというのに大きな意義がある。

 この間、羅津・先鋒地域に物品を送る場合、中国や米国を通してのみ可能であったが、現地に代表事務所が開設されたことに伴って、第3国を通 じずに釜山港から羅津港に直接物品を送ることが可能になった。また現地事務所を通 じて支援した物品の使用可否に対するより体系的なモニターリングも可能になった。

 前で少し言及したように、羅津・先鋒地域の幼稚園と託児所に対する結縁事業は約90%程度が完了した状況だ。しかし北の地で空腹と疾病で苦しんでいる同胞を生かそうという趣旨で始まった「北の子ども結縁事業」は今からが始まりだと考える。

 現在は羅津・先鋒地域の幼稚園と託児所を支援しているが、少しずつ他の地域に支援を拡大する計画だ。そして支援対象も幼稚園と託児所の子どもに限定せず、人民学校などに拡大させる一方、支援物品も医薬品・子ども用品・学用品・日常生活用品などに多様化する計画も立てている。

 もちろん計画したすべてのことが一時に行われはしない。羅津・先鋒地域を拠点に北韓に対する人道的支援を少しずつ拡大していくためには解決すべき多くの課題が残っている。  第一は北韓住民を生かそうという世論が国内と国外で広範に形成されなければならない。まずは当面 必要な食糧を北韓に送ることが最も重要なことであり、自然災害と数年間にわたる食糧難で崩壊した農業基盤を復旧する開発救護も同時に並行しなければならないだろう。

 第二は人道主義に立脚した民間救護機関であるJTSの立場を積極的に知らせ、北韓との信頼感を形成できなければならない。北韓住民が経験している凄惨な状況が少しずつ知らされながら、心ある団体と人々が支援運動に立ち上がったが、まさに支援が必要な北韓当局から自らの状況を正確に明らかにせず、北韓支援を難しくしている。そのような関係で、北韓に支援した食糧と物品が不純な目的で転用されているなどのつまらない推測が出て来もした。しかし長い歳月、閉鎖社会を維持してきた北韓が一時に変わることを期待するというのは不可能だ。死んでいっている北韓住民を生かさなければならないということが、北韓同胞支援の最も重要な目的だ。「米国ニューヨークJTS羅津・先鋒常駐代表事務所」が設立され得たのは、条件を付けない私たちの支援方式を北韓当局が信頼したのだ。私たちはこの常駐代表事務所を通 じて支援状況と北韓実態に対するモニタリングを自然にできるようになった。

 前で述べたこと以外にも、北韓支援事業において多くの難関が残っている。しかし私たちが真に統一を考えるならば、南側の子どもであれ、北側の子どもであれ、すべてが我が民族の将来という言葉に異見はないだろう。私たちは条件のない人道的交流と支援が、羅津・先鋒地域だけでなく、北韓全域に拡大される時に、南側と北側の障壁を溶かしていけると確信する。 しかしこのようなことはJTSの独自的力だけでは可能ではない。筆者はJTSの役割は同胞を助けようという純粋な心を北韓に伝達する通 路の役割を担当することだといつも考えている。「北の子ども結縁事業」が結縁に同参した個人と団体の積極的な努力で拡散しえたように、社会各部門で北韓同胞支援の雰囲気が拡散する時だけが、北韓の深刻な食糧難を解決でき、併せて南北が真に一つになることができる統一の明るい未来も早めることができるだろう。


「北の子ども結縁事業」と関連してJTSに望む文

千ジュンホ(青年情報文化センター)

 私たちの予想とは異なり、98年春窮期の北韓の食糧事情は最悪だった。「迅速な外部の食糧支援が切実だ」というメッセージが絶えない緊急な状況が、多くの人々の心を動かしたためにIMFという困難にも関わらず北韓同胞支援運動が持続されることができた。

 その中でも98年度上半期にJTSが提案した「北の子ども結縁事業」は多くの民間団体と市民の参加と呼応の中で進められ、今もそうだ。ここにはこの間の北韓支援運動とは差別 される「結縁事業」が持ついくつかの特徴があったためだ。  第一は、北の同胞支援の対象が具体的で支援方法が透明だということだった。第二は、「姉妹結縁」という約束を土台にしたために参加者の責任性ある持続的な活動を引き出すことができたという点であり、第三は、姉妹結縁対象に対する具体的情報と書信往来などの交流を包括する後続活動に強い期待感があったためだった。

 このようにJTSの「北の子ども結縁事業」は、98年北韓同胞支援運動に要求された新たな動機誘発と維持、長期的なビジョンを同時に充足させてくれるプログラムだった。このプログラムによって97年末を起点に小康状態に陥っていた多くの民間団体の北の同胞支援活動が再開され始めた。実際に筆者が所属して活動している青年情報文化センターも「北の子ども結縁事業」が直接的な契機になった。

 青年情報文化センターの場合、今年2月から結縁事業の後援会員を募集し始めた。わずか2ヶ月のうちに200名余りの後援会員が募集され、会員たちは1年または6ヶ月分の後援金を一括払いで送金したり、自動引き落としを通 じて毎月納付している。センターでは会員に2ヶ月に1回消息誌を発送し、羅津・先鋒でのJTS活動の消息や北韓食糧難の実態などの情報を提供している。6月末からは青年情報文化センターのイルサン住居地の集いとともに毎週土曜日にイルサン湖公園で北の子ども支援キャンペーンを展開している。去る6ヶ月の活動を昨年の北韓同胞支援活動と比較して見ると、量 的に拡大し、質的に深化したものだった。

 この時点で、私たちがなぜ北韓同胞支援運動を展開するようになったのかを振り返ってみよう。  まずは私たちの兄弟、隣人の飢えをそのまま見過ごすことができなかったためだ。さらには民族の将来を考えて、消えていく一つの世代を救わなければならないという率直な心が初発心だった。  私たちは、このような北韓同胞支援運動が南北の信頼構築と民族の和解につながることを期待しており、併せて北韓が自ら食糧を自給できる基盤が造成される方向で行われなければならないと考えている。

 このような観点で「北の子ども結縁事業」を点検し、JTSにいくつか提言をしようと思う。

 まず、「結縁事業」がより持続的に維持・拡大されていくためには、後続活動が活性化されなければならない。後続活動の核心は結縁者相互間の情報交流と「関係作り」だ。後援者は今、どの幼稚園・託児所に支援がなされているかを超えて、私が支援する幼稚園・託児所の子どもたちの健康状態がどれほど良くなっているのか、出席率はどうなのか、もっと必要なものはないのか、あるいは子どもたちの名前は何なのかなどに対する消息が伝えられることを望む。少なくとも分配過程で発生したエピソードでも伝えられることができればと思う。消息でも伝え聞いてこそ愛情が生まれ、愛情が生まれてこそ動機が発生し、行動が行われるのだ。簡単に言えば、南北に隔てられている結縁者相互間に、より具体的な「関係」が作られてこそ、事業を拡大できる力が出てくるのではないかということだ。これを土台に「北の子ども結縁事業」が、南北韓の民間交流の模範にまで発展すればという思いが切実だ。  第二に、「結縁事業」に参加する多様な団体と個人間のネットワークの形成が必要だ。各団体の活動経験が交流され、北韓同胞支援運動に必要な情報が提供され、民族和解運動に進んでいくための主張を集めることができればと思う。1万名余りが毎月定期的に会費を出して後援する事業が、私たちの社会にどれほどあるだろうか。それほど「結縁事業」が名分と合理性を持っているということであり、同意の幅が広いという意味だ。そうであるならば、より自信を持って多様な活動を展開することはできないだろうか。

 どんな利害関係もなく、民族和解の観点から北の同胞を助けようと集まったこの力が、北韓の食糧難の根本的な解決のための多様な実践につながりうることを望む。

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