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JTS羅先オリニ結縁事業

オリニ結縁通信 No.4 [1999.2.18]

羅津・先鋒地域―栄養食供給救護事業1年を振り返って

韓国JTS

 全世界の飢餓と疾病、文盲を退治するという志しを立てて活動を開始したJTSが、この間重点を置いてきた事業は、第三世界、特にインドの不可触賤民の救護事業であった。特に飢えていて学ぶことができない子どもたちに対してJTSは格別 な関心を持ってきた。それゆえに北韓の過酷な飢饉の消息に接し、JTSが北韓の子どもたちを生かすことに関わりはじめたのは当然なことである。

 北韓の食糧難の最も大きな被害者は、まさに老弱者と子どもたちだ。最近3年間に6歳以下の子どもの48.9%が死亡しており、非常に多くの数の子どもが飢えと病魔に苦しめられているものと確認された。(同胞助け合い仏教運動本部、北韓食糧難民1,694名の面 談調査を通した統計報告書参照)

 ある社会の希望は、まさにその社会の子どもであり、従って、北韓社会の未来は北韓の子どもたちがどんな環境で生活し、教育を受けるのかのよしあしによって、左右されると言っても過言ではない。

 飢えている北の子どもを助けるために、JTSは多方面で努力した。しかし、極めて閉鎖的な北韓社会に対する支援は、言葉ほどには簡単なことではなかった。まず、被害がどの程度なのかを把握することができず、子どもたちに直接支援できるルートを作るということも非常に大変なことであった。JTSは、経済特区として開放されている羅津・先鋒地域をまず支援することに決定し、97年7月から現地調査と羅津・先鋒市行政経済委員会と協議に入った。

 何度かの現地調査と協議過程を経て、97年11月米国JTSと羅津、先鋒行政経済委員会間の合意書交換がなされ、98年6月「米国ニューヨークJTS羅津・先鋒常駐代表事務所」設立を北韓政府から公式認可された。

 現地調査と協議、常駐代表事務所設立の過程まで私たちはJTSの活動が純粋な人道主義的支援であることを北韓側に随時説明し、信頼を積み重ねるために努力してきた。 北韓政府の公式認可がある前にも託児所と幼稚園の子どもたちに対する支援は、絶えず継続された。羅津市アンジュ洞に位 置する栄養食生産工場が正常稼働する前には、ヤクルト、砂糖、粉乳、米などを支援し、98年3月工場が稼働し始めてから現在まで毎月36トンの栄養食を生産し、子ども1人当たり3kgずつ供給している。今は米、トウモロコシ、粉乳、砂糖、大豆で栄養食品を作っているが、子どもたちの成長、発達を助けるために総合ビタミン剤を混ぜて作る計画を持っている。


▼韓国の釜山港から北朝鮮の羅津港へ。

 栄養食の原材料である トウモロコシと粉乳、砂糖などを載せて直接北朝鮮に輸送。

 物流費用を減らし、より質の良い材料を使用するために、我が国から粉乳と砂糖などを直接購入、98年9月からは釜山港を通 じて北韓の羅津港に栄養食品の生産に必要な物品を直接送っている。また、JTSは栄養食品の生産と子どもたちに配分される支援の全過程を監督するために、北韓現地に朝鮮族3名を派遣、常駐させている。  歩いても十分行くことができる近い土地、しかし、たやすく行けない北の消息を結縁事業に参加している団体と個人会員に伝えるために米国ニューヨークJTS崔京淑理事を招請し、98年5月と10月2度にわたって、説明会を開催した。

 JTSが支援している羅津、先鋒地域の11,000余名の子ども以外にも北韓全域には、支援の手を待っている多くの子どもたちがいる。彼らは開放された羅津、先鋒地域よりさらに劣悪な環境で苦しんでいる。

 羅津・先鋒地域の幼稚園と託児所支援事業を始めた時には、羅津・先鋒を拠点にして北韓の他地域に支援を絶えず拡大する計画を持っていた。しかし、前で少し言及したように、北韓は外部支援に対して非協力的な側面 があり、平壌政府を通して全ての決定が行われるので、支援地域を拡大するのに困難が多い。

 北の子ども支援事業を拡大させることができないのには、国内事情が難しいことにも大きな理由がある。北の同胞支援の熱い熱気は97年上半期を起点に急激に冷めていっており、泣きっ面 に蜂のようなもので、今私たちはIMFで苦しんでいる。自分のことだけでも忙しいのに、周辺を、特に50年間分かれて葛藤してきた北韓住民を、血と肉を分け合った同胞として考え助けようという気持ちを持つことは簡単ではない。

 北韓同胞を助けようという社会世論をもう一度生き返らせ、絶えず支援すること、どんな目的も持たない純粋な人道主義的支援を通 じて北韓との信頼を積み重ねていき、これを通して支援地域と対象を拡大していくことが、99年JTSの目標である。特に98年12月からは支援対象品目を食糧と医薬品に拡大し、飢えている子どもたちだけでなく、簡単に治療を受けることができる疾病にも薬がなく、途方に暮れて死んでいく子どもたちも生かすことができる道を開く計画である。

 全ての人が困難な状況である。しかし、飢えた経験を持つ人が飢えた者の苦痛を知り、困難を経験してきた人だけが苦痛をともに分かち合う気持ちを表すことができる。  北の子ども結縁事業を始まりとして集まった青年、学生諸団体が大変な与件にも関わらず、6月からソウル明洞通 りと地下鉄で絶えず進めている土曜通りキャンペーンを見ながら、今が韓国社会には北の同胞の苦痛をともに分かち合おうとする人々が多いということに希望を見る。


◆結縁事業後援現況(1998年9月30日現在)

  1. 個人会員 1,476名
  2. 団体会員 95団体 8,165名
  3. 総募金額 2億5500万ウォン
  4. 未結縁託児所・幼稚園数 27ヶ所 2,775名

◆今後の計画

  1. 支援品目の多様化:医薬品、衣服、靴、車両など
  2. 託児所の子どもたちに栄養食品を継続支援、幼稚園の子どもたちにご飯を提供することを検討中
  3. 小学校の子どもの給食支援を考慮中 (『JTS』通巻15号、1998年12月/1999年1月より)

【現地からの消息】

 支援事業には信用が第一です ―羅津・先鋒現地報道―

 羅津には、泥棒を守る雌犬が1匹いるが、子を4匹も産みました。物や家を守ることが忙しくて(大変で)、犬2匹をさらに買い、倉庫にネズミを捕まえるために猫も買いました。羅津のネズミはトウモロコシが好きだそうです。トウモロコシがそれほど栄養があるという話でしょう。ソウル事務室でキムチを漬けたという知らせを聞きました。中国事務室でももう少し早くキムチを漬けたのですが、羅津は海辺なのでそうなのか思ったより寒くなく、11月末になって初めて代表事務所職員たちが食べるキムチを漬けました。事務所の宿所の前に植えておいた白菜と大根で100株程度を漬けました。ここ羅津の人々も状況が大変ではありますが、それでも越冬の準備はしなければならないので、キムチを漬けたと言います。塩を精製しない粗い塩を使うようですが、おそらく海で生産した塩をそのまま使うようです。私たちも昔そうでしたが、食べられない時はキムチがとても大きな食糧になります。今北韓でもキムチが非常に重要な食べ物です。北韓では、羅津が一番良い生活をしているという噂が流布し、別 の地域から親戚訪問で来て助けを受けることを望む人が多いそうです。

 羅津では、私たちJTSに対して評判が大変良いです。今や私たちと関係を結んでから1年と4ヶ月が過ぎ、この間私たちの事業がこまめで静かに(大げさではなく)進められたと認定してくれているようです。代表事務所長は分配しに出かけるとき、必ず昼食の弁当を包んで持って行きます。栄養食を供給される幼稚園、託児所で食事をもてなしたいと言いますが、迷惑をかけてはいけないと言って、必ずご飯とおかずを作って持って行くのです。このようにするのを見て人々が感動するようです。一緒に働く中国朝鮮族がもう二人いますが、彼らの取り締まりも非常に徹底的に行うので、羅津市内にあるカラオケにも行けないようにしたそうです。事実、羅津に派遣された方々の苦労も多いです。海辺の脇なので水が悪くてそうなのか、みんな腎臓系統に病気ができて苦しんでおり、特に女性の方は非常に体が悪いです。特にここ羅津は自由港であるので、中国の人々がたくさん往来しており、金儲けに関心を持つこともできますが、所長がそんなことも全くピシャリと断ち切って「そんなことをしようとするなら出て行け。我々は支援事業をするためにいろいろなことに関心を持てば、仕事をするのがしんどくなる」と言います。このように生活する方々がちゃんとしているので、評価が良いようです。また、原材料供給も絶やさずにきちんとする点も信用を得ています。


【関連消息】

●第2回羅津・先鋒訪問説明会

 10月27日夕方7時からソウルの基督教会館で第2回羅津・先鋒訪問報告説明会が開かれた。 託児所・幼稚園訪問時のビデオ上映、韓サンヨル牧師による平安道地域訪問時のお話を聞いた後、米国ニューヨーク・JTSの崔京淑理事の訪問報告と、法輪理事長の事業展望の報告が行われた。また羅津・先鋒地域の子どもが書いた絵の展示や、羅津産のスケトウダラの展示、栄養食粉末の試食なども行われた。

●釜山・羅津直行路で直接伝達

 11月26日に、栄養食の原材料である粉乳5d、砂糖10dを送り、12月21日に出航する釜山・羅津直行路を利用し、原材料伝達を毎月定期的に行っている。また12月からは、この間、託児所・幼稚園を指定し後援している団体の名前で伝達する予定だ。

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