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2002年12月19日には、韓国で第16代大統領選挙が行なわれました。それに際して韓青連は候補者に対して、在日コリアンという立場から要求事項をまとめ、要望書と公開質問状を送りました。要望書は韓国の「市民の新聞」やインターネットサイト「Oh My News!」にも掲載されました。
第16代韓国大統領候補に送る在日同胞の要望書
私たち在日同胞は、日本の地にあって、在日同胞の権利向上、日本の朝鮮植民地支配の清算、祖国の平和統一を願う立場から、来る12月の第16代韓国大統領選挙で選出される大統領が以下の課題を積極的に実現しなければならないと考えます。
したがって、大統領候補者各位が以下の要望を積極的に政策に反映させることを強く訴えます。
1.在外同胞が祖国と海外同胞間のネットワークを形成しながら民族性を保持するために、在外同胞政策を充実させることを要望します。
1990年代に入り、韓国政府は在外同胞政策を本格的に検討・実施し、1997年10月に「在外同胞が民族的紐帯感を維持しながら、居住国内でその社会の模範的構成員として生きていくことができるように寄与すること」(在外同胞財団法第1条)を目的として在外同胞財団を設立しました。そして、1999年8月には「在外同胞の出入国と法的地位に関する法律」(在外同胞法)が可決されました。
私たちは、韓国政府が在外同胞政策を本格的に検討・実施し、在外同胞財団を設立したことを肯定的に評価します。
在外同胞は、居住する当該国の政策、移民の歴史的経緯・期間によって、民族的アイデンティティ、国籍、社会的環境が異なります。現在、在日同胞社会においても、日本籍在日同胞や日本人との間に生まれたダブルが数多く存在します。
私たちは、韓国次期政権が在外同胞の実情をより一層調査し、在外同胞が民族性を保持して生きるために充実した在外同胞政策を実施することを求めます。
また、在外同胞法において、現在その対象から除外されているCIS同胞、中国同胞、朝鮮籍在日同胞をその適用対象とすることを求めます。
2.在日同胞の権利向上のために積極的に努力することを要望します。
1965年「韓日基本条約」とともに締結された在日韓国人に対する法的地位及び処遇に関する「韓日法的地位協定」は、協定永住の対象が大韓民国国民に限定されたため、在日同胞社会に深刻な対立と反目を引き起こしました。
また、1991年韓日両政府が取り交わした「在日韓国人の法的地位と待遇に関する覚書」は、退去強制・再入国許可制度の存続、民族教育権の保障の不十分性、公立学校の教員・地方公務員の採用における国籍による差別の存続などの課題を残しています。
在日同胞にとって、民族教育権の保障、一般企業や地方公務員の採用における差別の撤廃、無年金下に置かれている在日同胞高齢者・障害者に対する社会保障の実施などの課題が残されています。また、多民族共生社会を実現するために日本に住む外国人の地方参政権の実現が大きな課題となっています。
韓国憲法では、「国家は法律の定めるところにより、在外国民を保護する義務を負う」(第2条第2項)と述べています。韓国政府は、在日同胞の権利向上のために努力する責務があると考えます。
私たちは、韓国次期政権が在日同胞の権利向上のために積極的に努力することを求めます。
3.在日同胞の民族教育充実のための調査・支援を積極的に行うことを要望します。
民族としての自覚を育み、人間としての生を豊かにするための民族教育の充実は、在日同胞にとってとりわけ大きな課題です。在日同胞の子どもたちの約9割は、日本の学校に就学し、その多くが民族名を名乗れずにいます。在日同胞の子どもたちが民族的アイデンティティを育む上で、朝鮮学校をはじめとした民族学校や日本の公立学校における民族学級が大きな役割を果たしています。しかし、朝鮮学校と東京韓国学校・京都韓国学校は「各種学校」とされ、日本の高等学校と同じ立場を認められていないため、様々な制約や不利益を受けています。また、民族学級も在日同胞の子どもが在籍するすべての公立学校で設置されているわけではなく、その制度的保障も十分でありません。
私たちは、韓国政府が在日同胞の民族教育充実のための調査と支援を積極的に行うことを求めます。また、在日同胞が民族的アイデンティティを育むための積極的措置を日本政府が講じるように、韓国次期政権が積極的に働きかけることを求めます。
4.朝鮮籍在日同胞の自由な祖国往来を安定的に保障するよう要望します。
在日同胞は、日本の朝鮮植民地支配の結果、日本に居住しています。在日同胞は同じ歴史的経緯を持っているにも関わらず、韓国政府は朝鮮籍在日同胞の自由な祖国往来を十分に保障しているとは言えません。1991年に南北の間で採択された「南北基本合意書」では「南北は民族構成員たちの自由な往来と接触を実現する」(第3章第17条)と述べられているように、本来、海外同胞はその国籍に関わらず、祖国への自由な往来が認められるべき存在です。また、1992年に南北基本合意書の付属合意書の一つとして採択された「南北和解」においても、「南と北は海外同胞の民族的権利と利益を擁護・保護し、彼らの間の和解と団結が成し遂げられるよう努力する」(第6章24条)と述べられています。
私たちは韓国次期政権が朝鮮籍在日同胞の韓国への自由な往来を安定的に保障することを求めます。
5.「韓日基本条約」の見直しを行い、戦後補償問題の根本的な解決のために努力することを要望します。
1965年韓国政府と日本政府の間で締結された「韓日基本条約」で韓国と日本は国交を回復しました。しかしながら、「韓日基本条約」では、日本が朝鮮半島を侵略し、植民地支配したことに対する内容や謝罪が全く盛り込まれませんでした。そして、「韓日請求権・経済協力協定」では、国と国民の請求権が「完全かつ最終的に解決された」とされました。
1990年代に入って戦争被害当事者と遺族が日本政府に謝罪と賠償を求める裁判を相次いで起こしましたが、日本政府は「65年の韓日協定で解決済み」であるという論理で被害者への国家補償を拒否しています。
私たちは、韓国と日本が事実に基づく正しい歴史認識を共有するとともに、現在も人権と名誉が回復されないでいる被害者に日本政府が国家補償を行うために、「韓日基本条約」の見直しを行い、戦後補償問題の根本的な解決に向けて韓国次期政権が努力することを求めます。
6.「6・15南北共同宣言」を誠実に履行し、朝鮮半島の平和のための積極的イニシャチブを発揮することを要望します。
2000年6月15日に南北の両首脳が署名した「南北共同宣言」は、朝鮮半島で長い間続いてきた対立と反目の状況を和解と協力の状況へと転換させる画期的なものでした。「南北共同宣言」以降、南北両政府は、京義線の連結工事、離散家族の再会、朝鮮総連の韓国訪問などを実現し、様々な分野における相互交流が拡大しました。私たちは、「南北共同宣言」を支持し、韓国次期政権が「南北共同宣言」を誠実に履行することを求めます。
この南北共同宣言は、金大中政権の北朝鮮に対する一貫した太陽政策と北朝鮮の政権の決断によって実現しました。朝鮮半島の和解と協力を蓄積し、統一への展望を切り開き、東アジアの平和に貢献するために、私たちは、韓国の次期政権が北朝鮮に対して和解・協力政策を遂行し、朝鮮半島の平和に向けて積極的イニシャチブを発揮する「平和の政府」であることを求めます。
2002年12月2日 在日韓国青年連合 共同代表 金宅守 宋勝哉
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