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大田原市教育委員会への緊急抗議文 [2005年7月14日]
大田原市教育委員会 委員長様
大田原市 教育長様

栃木県大田原市教育委員会は「つくる会」教科書採択決定を直ちに撤回せよ

   私たちは激しい怒りを禁じえない。去る7月13日に大田原市教育委員会は、来春から大田原市立中学校で使われる中学校歴史・公民教科書に「つくる会」教科書の採択を決定した。報道によると、委員会終了後記者会見した大田原市教育長は、「つくる会」歴史教科書を選んだ理由について、「バランス良く構成されていて、日本史全体の流れと各時代の特色が分かりやすい。文化史を重視し、日本文化に対し誇りと愛情をはぐくめるような内容となっており、国際関係の理解にも適切であると考えている」と述べたという。

 「つくる会」教科書は、日本による朝鮮植民地支配を正当化し、強制連行や日本軍「慰安婦」についての事実を記載せず、南京大虐殺についてもその存在自体が疑わしいという立場さえ紹介している。このように、「つくる会」教科書は▽アジアへの蔑視、▽植民地支配の肯定、▽日本の加害事実の隠蔽といった特徴を持っている。故に、韓国や中国は「つくる会」歴史教科書に対して憂慮の念を示してきたのであるが、こうした韓国や中国からの批判があることを理解しつつ、「つくる会」教科書について「国際関係の理解に適切である」と堂々と述べる「国際感覚」のなさに私たちは驚愕せざるを得ない。

 「つくる会」教科書は私たち在日コリアンの立場からも憂慮されるべき教科書である。私たち在日コリアンは、日本の植民地支配によって日本に暮らすようになった歴史を有している。しかしながら、朝鮮への植民地支配を肯定し、日本が朝鮮人に対して行った加害行為と数々の植民地化政策を肯定する哲学に貫かれた「つくる会」教科書で教育を受けた日本の次世代は、私たち在日コリアンをどのような目で見るだろうか?歴史を否定し、ひいては、私たち在日コリアンの存在自体を歪曲することだろう。

 「つくる会」教科書はアジアやアジアに住む人と共に生きていくという観点から記述された教科書ではない。「つくる会」教科書は、過去の反省に基づいた日本と朝鮮半島やアジア各国との和解を志向するものではなく、アジアを蔑視しながら再び戦争のできる日本を担なっていこうとする学生をつくることを志向しているとの危機感を持たせる教科書だ。そして、そのような社会風潮によって犠牲を受けるのは、まさに日本に住む外国人である私たち在日コリアンだ。

 このように「つくる会」教科書は、日本とアジアとの友好関係を損なうものであり、日本に住む在日コリアンの歴史性を無視するものであり、アジアの平和を脅かすものである。このような教科書を採択するという決定をした大田原市教育委員会は自らを大いに恥じなければならない。

 私たちは、大田原市教育委員会が「つくる会」教科書採択決定を即刻撤回することを強く要求する。

2005年7月14日
在日コリアン青年連合(KEY)
共同代表  宋勝哉 金宅守 金朋央
 

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