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2009年9月17日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
外務大臣 岡田克也 様
在日コリアン青年連合(KEY)
共同代表 康利行、姜晃範、金朋央
日本新政権に対する要望書
私たちは、新政権が日本と朝鮮民主主義人民共和国との
国交正常化に向けた対話を推進することを求めます
2009年8月30日の衆議院総選挙で民主党が圧倒的多数の議席を獲得、9月16日に鳩山代表が首相に任命され、社民党・国民新党との連立政権が誕生し、歴史的な政権交代が行われました。これに伴って新しく日本の外交政策を担う新政権に対し、私たちはより平和で安全な未来を開く外交を推し進めることを強く要望し、東アジアの平和と安定のために不可欠な要素である日朝の国交正常化に向けた対話の推進を求めます。
2002年9月17日の日朝首脳会談より今日で丸7年を迎えました。当時、この会談によって、戦後半世紀にわたる日本と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の不正常な関係に終止符が打たれ、両国に横たわる問題の解決および東アジア地域の平和と安定の構築に向けて前進するものと私たちは大きな期待を持ちました。しかし、拉致事件に始まる日本国内世論の反北朝鮮感情の急激な高まりを受けて、国交正常化交渉は暗礁に乗りあげ、以来、日朝関係は悪化の一途をたどり、対話の窓口が閉ざされたまま今日にいたっています。
私たちはこの間、朝鮮半島の平和の実現を求め、毎年9月17日に声明文の発表や署名活動を展開するなど、一貫して対話による日朝の国交正常化を訴えてきました。しかし、自民党政権の下、「対話と圧力」を標榜しながらも結局制裁をはじめとした圧力一辺倒の対北朝鮮強硬政策が推し進められ、メディアの報道は日本社会における北朝鮮に対する嫌悪感ばかりを増幅させ、両国の関係は冷え切っています。
連立政権の中心政党である民主党のマニフェストによれば、「外交・防衛」の項目の中で「アジア外交の強化」を謳い、「中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築」、「東アジア共同体の構築」を掲げています。また、民主党は、例えばこれまでの自民党政権においてなおざりにされてきた日本軍「慰安婦」問題において解決に向けた立法化の必要性を認め法案提出を行ってきているなど、日本の植民地支配と侵略戦争の責任に基づき戦後補償問題の解決へ向き合おうとする姿勢も伺えます。民主党が歴史認識の面で日本の植民地支配・侵略戦争の責任を認め、アジア各国との信頼関係を作り出すことに私たちは期待を持っています。
一方で、日朝関係については、民主党のスタンスは自民党政権の時とほとんど変わるところがなく、対話を進める政策を打ち出してはいません。私たちが衆院総選挙に際して行った政党アンケートでは、日朝平壌宣言の有効性や日朝間の対話即時再開の意志に対する質問に対して、民主党はどちらも曖昧な回答をしており、「日朝平壌宣言であれ、日朝間対話であれ、わが国の問題というより、もっぱら北朝鮮の対応に由来するものだ」と、全てを北朝鮮側に帰する態度を示しています。私たちは、北朝鮮政府は核実験など脅威を煽る強硬な態度をやめ、周辺国との信頼醸成に向け対話を行うべきであると考えます。しかし、その反面で、日本政府がこれまで対北朝鮮強硬政策ばかり続けてきたことが、現在の東アジアにおける緊張関係の重大な要因となっている事実を自覚しなければならないと考えます。私たちは政権交代のなった今こそ、新政権が政策を転換し、北朝鮮との積極的な対話を進め、日朝関係が改善に向かうことを期待します。
今年8月のクリントン元米大統領の訪朝による金正日総書記との対談と米国人記者2名の釈放、韓国現代グループの玄貞恩会長の訪朝による金正日総書記との対談と開城工業団地進出企業の韓国人職員の解放など、対話によって問題解決がなされるのを私たちは目の当たりにしました。しかし、日本政府はこの間、制裁措置に固執し対話と交渉を一切行わず、結果として拉致問題は現在も停滞した状態です。核、拉致をはじめ、日本側が主張する諸問題を解決するには、関係各国の粘り強い対話と交渉に拠るほかないと考えます。
日本政府は2006年10月より対北朝鮮制裁措置を実施・継続し、北朝鮮によるミサイル発射と核実験後の今年6月よりさらなる追加制裁措置を実施しています。この制裁措置によって在日コリアンへの人権侵害までも当然のこととして行われていることを私たちは看過することができません。在日コリアンの祖国往来の制限や、北朝鮮への一切の輸出を禁止する追加制裁措置によって祖国に住む親戚へ送ろうとした荷物までも税関や郵便局で拒否されるという事件が続いています。私たちはこのような国家の論理による非人道的な制裁を止め、人権侵害が取り除かれることを求めます。
私たち在日コリアンは歴史的に朝鮮半島と日本の間で繰り広げられる政治状況に常に翻弄されてきました。だからこそ私たちは朝鮮半島と日本の関係改善、東アジアの平和的状況を強く望むのです。東アジア地域における平和と安定の構築は、北朝鮮との関係を抜きにして考えることはできません。長く続いてきた日朝の不正常な関係からの脱却には、両国間の諸問題を解決するための対話の努力が積み重ねられなければなりません。そこには困難が伴いますが、日朝の国交正常化への取り組みは必ず東アジアの平和体制構築への重要な要素となります。このような認識のもと、私たちは新政権が日朝国交正常化に向けた対話を推進することを求めます。
以上
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