朝鮮民主主義人民共和国の核実験に抗議し、対話による北朝鮮核問題の解決を要求する日韓市民団体共同宣言
10月9日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は核実験を断行してしまった。
2005年の北朝鮮核保有宣言と2006年7月初めのミサイル発射実験に引き続く、今回の核実験は、朝鮮半島をはじめとした東北アジアの安保不安を増大させ、一時も緊張を解くことが出来ない深刻な危機局面を招いている。朝鮮半島および東北アジア地域の平和を脅かす北朝鮮の核実験を強く糾弾する。
北朝鮮の朝鮮中央通信は、今回の核実験を通じ、「強力な自衛的国防力」を持つようになり、「朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守るのに寄与するであろう」と主張した
しかし、北朝鮮の核実験は東北アジア市民を致命的な核の脅威にさらし、平和的生存権を脅かす行為であり、南北朝鮮が合意した「朝鮮半島非核化宣言」と2005年9月19日に合意された六カ国協議の共同声明にも正面から反するものといえる。また、今回の核実験は周辺国の緊張感を高め、軍備増強と核兵器開発を煽る口実となり、朝鮮半島と周辺地域の平和を脅かす原因になるという事実を北朝鮮は直視しなければならない。
私たちは、「核抑止力」確保を通じ、体制の安全を保障し、自らの意思を貫徹するための交渉カードとして利用しようとする北朝鮮の軍事的挑発と冒険主義に反対する。人類の破滅をもたらすいかなる核実験と核兵器も決して容認することはできない。北朝鮮は追加の核実験計画を放棄し、核兵器を無条件廃棄しなければならない。
しかし、北朝鮮核問題の解決と東北アジアの平和定着のためには米国と日本の変化が必須である。
核実験を強行した北朝鮮の瀬戸際外交は、ジョージ・ブッシュ大統領の執権以来、進められてきた米国の対北朝鮮政策が生んだ結果であり、核保有を抑制するための政策がその反対の結果を生み出した以上、その政策の正当性に疑問を提起せざるをえない。北朝鮮が要求した朝米直接対話を悪意を持って無視してきた米国の対北朝鮮圧迫・制裁政策に大胆な変化が必要な時であり、相互信頼回復のために、朝米間のより積極的な努力が必要な時である。また、日本もこの間、北朝鮮に対しては制裁を発動してきたが、強い制裁を実行することだけでは問題を解決することが出来ないと悟らなければならない。北朝鮮の核実験の一次的な責任は北朝鮮にあるが、その原因には東北アジアに残っている冷戦的対立関係があるということを念頭に置かねばならない。北朝鮮核問題を解決するためには、朝米間の直接対話を通じ、検証可能で戻ることができない方式での核放棄と朝米国交正常化を交換し、日朝間の関係改善を通じた国交正常化が重要である。そうした時に、東北アジアの平和定着の道が開かれることを日米両政府は否定してはならない。
私たちは、北朝鮮核問題の解決のために、韓国政府と国際社会の強硬な対応にも憂慮している。
国連安全保障理事会や周辺国家の対北朝鮮経済制裁と軍事的措置には断固として反対する。強硬は強硬を招き、事態を悪化させるという事実を私たちは幾度も目撃してきた。従って、このような時であればあるほど、合理的で冷静な判断を土台に、平和的な解決方法を模索しなければならない。その指針になるのが、「北朝鮮による核放棄と日米両国による国交正常化及び周辺国による経済協力」を実施するという2005年9月に合意された六カ国協議の合意書だ。私たちはこの合意趣旨に従って、六カ国協議をはじめとした多国間協議や様々な二カ国間協議が進められ、北朝鮮政府との対話を通じて今回の危機が平和的に解決されることを求める。
そして、韓国は今回の核実験と政府の対北朝鮮政策を政争の手段として利用せずに、朝鮮半島の平和と統一という長期的な観点から問題を解決することが出来るように外交的努力を講じなければならない。武力攻撃や封鎖を通じた北朝鮮政権の崩壊は、また異なる災難の始まりであることを明確に理解しなければならない。
どのような場合でも、朝鮮半島の非核化と対話を通じた平和的解決という二つの原則を守らなければならないのだ。
南北関係を全面再検討するとか、金剛山観光や開城工業団地事業を中断するといった対北朝鮮強硬論に巻き込まれることは問題解決にまったく助けとならない。韓国政府の冷静かつ一貫した対応が必要な時である。
朝鮮半島での危機が高まれば高まるほど平和的解決の観点からの長い呼吸が必要だ。
それは、朝鮮半島問題は南北または朝米間の問題として極限されるものではない、様々な関連国の利害関係が複雑に絡み合っているからだ。不器用な判断と性急な対応は危機を高め、取り返しのつかない破局へと繋がるのみだ。利害当事国の政治軍事的緊張を解消し、東北アジアをはじめとした朝鮮半島に平和を定着させるための長期的な観点を持ち、問題を解決していくための協力と知恵を集めなければならない時である。
また、私たちは東北アジアの核危機を克服するためには、日韓市民社会の協力が重要であるということを強調する。私たちは、核危機を超えて東北アジアを和解と協力の共同体へと作り上げていくためにこれからも連帯していくだろう。
2006年10月12日
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